若手研究 (B) なぜ風評被害はやまないのか?
東京電力福島第一原子力発電所の事故によって,さまざまな風評被害が発生しました。この研究では,農作物における風評被害に焦点をあて「福島県やその近隣県の食品を避けようとする心の仕組み」や「官公庁がおこなっている対策の有効性」について研究をおこなっています。詳しくは,下記の研究成果をご覧ください。
福島県産食品を避けようとする心の仕組み
<学会発表>
樋口収・下田俊介・小林麻衣・原島雅之(2015)病気回避動機と福島県近隣の汚染
地域の推定との関連 日本心理学会第79回大会(名古屋国際会議場), p. 153.
樋口収・下田俊介・小林麻衣・原島雅之(2015)病気回避動機・実験状況と原発事
故に伴う汚染地域の推定との関連 日本社会心理学会第56回大会(東京女子
大学), p. 295.
樋口収・下田俊介(2016)風評被害に関する心理学的研究 (1) 病気に対する懸念が
原発事故に伴う土壌汚染範囲の推定に及ぼす影響 第2回東日本大震災研究
交流会(明治学院大学)
田戸岡好香・樋口収・唐沢かおり(2016)福島県産食品の風評被害に抑制が及ぼす
影響 日本社会心理学会第57回大会(関西学院大学), p.314.
樋口収・埴田健司(2017)食品の安全性に関するリーフレットの有効性の検討: 福
島第一原発事故に伴う風評被害の対策という観点から 日本社会心理学会第
58回大会(広島大学)
<学術論文>
樋口収・下田俊介・小林麻衣・原島雅之(2016)行動免疫システムと福島県近隣の
汚染地域の推定との関連 実験社会心理学研究, 56, 14-22.
下田俊介・樋口収(2017)病気回避動機が福島県周辺の土壌汚染範囲推定に及ぼす
影響 東洋大学人間科学総合研究所紀要, 19, 187-198.
田戸岡好香・樋口収・唐沢かおり(2018)食品のネガティブイメージにステレオタ
イプ抑制が及ぼす影響 心理学研究, 89, 22-28.
風評被害対策の有効性
<学会発表>
樋口収・埴田健司(2016)福島第一原発事故に伴う風評被害の収束に向けて: 食
品の安全性を説明するリーフレットの有効性の検討 日本社会心理学会
第57回大会(関西学院大学), p. 46.
埴田健司・樋口収(2016)風評被害に関する心理学的研究 (2) 放射性物質に関わる
食品安全情報がもたらす逆説的効果 第2回東日本大震災研究交流会(明治
学院大学)
埴田健司・樋口収・小森めぐみ・武田美亜(2017)協力目標は福島産食品に対する
懸念のバッファーとなるか? 日本心理学会第81回大会(久留米シティプ
ラザ)
埴田健司・樋口収・小森めぐみ・武田美亜(2017)集団への所属は福島産食品に対
する懸念のバッファーとなるか? 日本社会心理学会第58回大会(広島大
学)
<学術論文>
樋口収・埴田健司(2017)福島県産食品の安全性の説明は罹患の懸念を払拭して
いるか? 心理学研究, 88, 43-50.
埴田健司・樋口収・小森めぐみ・武田美亜(2017)協力目標は福島県産食品に対す
る懸念のバッファーとなるか?モチベーション研究, 6, 29-40.
樋口収・埴田健司(2018)福島県産食品の風評被害の収束に向けて: 心理学的アプ
ローチによる検討 政経論叢 86, 23-42.